皆さんは香港に「ピンポンマンション」という風俗店があるのをご存知だろうか。
詳しいことはこのサイトで解説されているため割愛するが、
簡単に言うと、マンションの一室に潜む嬢の部屋をピンポンして気にいった嬢が出てきたらSEXをするという風俗店である。
僕は長年この「ピンポンマンション」という名称に疑問を持ち続けていた。
なぜなら「ピンポン」と検索して出てくる画像は軒並み卓球🏓関係の画像ばかりで、インターフォンの画像がでてくることはまずない。
またピンポンという言葉は英語でも卓球の意味で「ping-pong」として使われ世界的にも親しまれている。
つまり「ピンポン」= 卓球というのが全世界の常識であり、「ピンポンマンション」はSEXではなく卓球が行われるマンションでなければならないのだ。
僕はいつか必ず「ピンポンマンション」で卓球をしてこの「ピンポンマンション」が抱える矛盾を是正しようと心に決めていた
僕は今日中国から香港に降り立った。
僕は香港に降り立った瞬間に、この野望を果たすため、ありとあらゆる観光地を無視し、日本で買った卓球セットを持ち、「ピンポンマンション」へ向かった。
今回向かった「ピンポンマンション」はその名も「發利大廈」
性に餓えた男で溢れていたパタヤの街とは違ってこの「發利大廈」は多くの健全な観光客が集まる街中で唐突に現れた。
中に入るとすぐにエレベーターがある。どうやらこのマンションは9階建てのようだが、
9階のゲストハウスと1階の受付を除いた全てのフロアが「ピンポンマンション」として使われていた。
エレベーターを出るとすぐに怪しい店特有の独特のネオンが僕を迎えた。
奥へ進むといくつかの部屋があり、
それぞれの部屋に「稍后片刻」(お取り込み中)の札か、「欢迎光临」(空いている)の札、どちらが掛けられ、
性客たちは我先にと言わんばかりに次々と「欢迎光临」の札が掛けられた部屋にインターフォンを鳴らしていた。
また興味深いのがこの「ピンポンマンション」区域のすぐとなりのフロアに居住者がいるということだ。
なぜ彼らはこんなところに住んでいるのか?
この「ピンポンマンション」のヘビーユーザーなのか、はたまた「ピンポンマンション」の経営者なのか。想像は尽きない。
この頃になると僕は本来の目的を忘れ、純粋に「ピンポンマンション」を楽しんでいた。
しかし僕はある重要な事実に気づいてしまった。
僕がいった時間は夜も深くなりつつある20時ごろで僕以外の性客たちも多く存在していた。
そしてこの性客どもは「欢迎光临(空いている)」と書かれた札を見つけると、片っ端から、インターフォンを鳴らし、嬢を呼ぶと、あろうことか出てきた嬢を無視して立ち去っていたのだ。
彼らはこの行為を自分の好みの嬢がでてくるまで何度も繰り返していた。
「許せない。」
いくら彼女たちが仕事だからといって、「呼ばれたら無視」を何度も何度も繰り返されれば、傷つくに違いないし、
ただでさえ望まないセックスを強いられ、不満を感じている中での拒絶が彼女たちにどのような感情を与えるのかは想像に難くない。
自らの性的快楽にしか関心を持たないこれらの性客たちに僕は激しい憤りを覚えた。
同じ畑で働く者として、彼らの横暴に一石を投じなければならない。
僕は直前にNOを突きつけられた嬢と卓球をすることに決意した。
正直なところかなり緊張していた。
あたりには監視カメラが張り巡らされ、これらのカメラの映像は常に入り口付近で監視されていた。
卓球のラケットを片手に辺りをうろつく金髪男は明らかに要注意人物だ。嬢に卓球を求めた瞬間に恐ろしい奴らにつれていかれたらどうしようか。
でも僕にはこの「ピンポンマンション」を変えなければならない指命がある。
僕は意を決してインターフォンを鳴らした。
「ハロー」嬢の明るい声と共に僕は部屋の中へ入った。
中に入るとすぐに嬢が服を脱がせようとしたが、僕はラケットをみせて「私はあなたと卓球がしたい」と伝えた。
すると彼女はこの世で最も「素っ頓狂」という言葉がふさわしいと言えるほど「素っ頓狂」な顔で僕の方を見た。
彼女が精いっぱい振り絞った「なんでピンポンなの」という言葉に対し
僕は「日本ではここをピンポンマンションと呼んでいる。だから私はここでピンポンがしたい」と語った。
この言葉の意味がしっかり伝わるとは思っていなかったが、どうやら嬢はある程度納得したらしく、「本気?」と言いながらケラケラ笑っていた。
しかし僕はここで僕は大きな見落としがあることに気づいた。
「ピンポンマンション」の各個室は中にダブルベッドが置かれているだけの粗末な部屋だ。
僕はこのダブルベッドのベッド部分をとって残る土台をピンポン台にしようと考えていたのだが、
思いの外ここのダブルベッドはベッド部分が多く、また部屋も狭いのでベッド部分をとれそうにない。
どうしようか。僕がとっさに思いついたのは
「エアピンポン」だった。
ピンポンを楽しみたいという気持ちさえあれば、台なんて必要ない。己の気持ちだけで勝負しろ。
僕はつたない英語で必死にこの「エアピンポン」のルールを説明した。
嬢も最初は全く分かっていないようだったが、「演技がうまいほうが勝ち」「あなたが勝ったらチップを渡す」と説明すると快く乗ってくれた。
こうして「ピンポンマンション」にて世にも奇妙な「エアピンポン」対決が始まった。
当初、嬢は慣れない「エアピンポン」に恥ずかしがっていたのか、なかなか良い演技をしてくれなかった。
そこで僕は彼女の緊張をほどくためにオーバーな動きと「チョレイ」を交えた激しい演技を披露した。
すると彼女も僕の動きに呼応してスマッシュを決めようとするなど激しい演技を見せ、試合は壮絶なラリーの打ち合いとなった。
長い激闘の末、最後は彼女の強烈なスマッシュが決まり、僕はあえなく敗れた。
彼女の素晴らしい演技に感動した僕は最初に話し通りに100香港ドル(1400円)を手渡した。
すぐに次の試合を始めようとすると、
嬢が「どうせあなたもSEXがしたいだけなんでしょ」と言いたげにベッドに座り込んだ。
僕は彼女に全てを伝えなければならないと思った。
「The only thing I want to do is ping-pong ! 俺がしたいのは卓球だけだ。」
すると嬢は全てを理解してくれたかのように立ち上がり、「リアルピンポン!」と僕に語りかけた。
最初何を言ってるのかよくわからなかったが、どうやらノーバンで卓球のラリーがしたいとのことだった。
僕は彼女の飽くなき探求心に感銘を受け、この申し出を受け入れた。
最初はほとんどラリーが続かなかった。
無理もない。お互い卓球は素人で、部屋もとても狭い。
それでも僕らはラリーを続けよう試みた。
そして挑戦すること数回、
ラリーはついに10回を超えた。
僕らはその瞬間、自然に笑顔で溢れ、互いにハイタッチをして喜びを分かち合った。
おそらくその日、僕が彼女に触れたのはこのハイタッチだけだっただろう。
「嬢を気持ち良くさせるテクニック」なんてでたらめなことを言う奴がたまにいるが、
少なくとも「ピンポンマンション」のような性客の欲望を一方的に押しつけるSEXで嬢側の気分が良くなることはあり得ない。
ではどうすれば客側と嬢側の両方が気分良く時間を過ごすことができるだろうか?
その答えこそが そう 「ピンポン🏓」だ。
少なくとも僕は今回、新しい体験ができて気分が良いし、嬢は先ほど述べた通り、撮影に応じてくれるほど上機嫌だった。
ピンポン🏓は関わる人全てを笑顔にする。
だから僕はこの「ピンポンマンション」は男女がピンポン🏓をすることのできる場所に変えるべきだと思う。
それこそが「ピンポンマンション」のあるべき姿であると僕は思う。