ラインペイがいま登録者同士で1000円を送り合える狂気のキャンペーンを行っている。
ラインペイを使ったことがある人なら分かると思うが、ラインペイといえば、支払いが終わるたびに、「クジに挑戦!」といった無邪気なメッセージを送ってきては、
「1円当選 おめでとうございます!」という僕を有邪気な気分にさせる結果を送りつけてくる忌々しき乞食団体のイメージが根深い。
その乞食組織が今回1000円を配布するというキャンペーンをやったのだから驚きだ。
僕の乞食友達たちも早速このキャンペーンに参加し、僕に1000円を送ってくれた。
僕は久しぶりに1円以外の金額がラインペイに追加されたことを大いに喜んだ。
この1000円を何に使おうか。
「食事代、コスプレ、イソジン…」
世の中 1000円あればいろいろな物が買える。
1000円で救うことのできる命もたくさんある。
僕の邪気に溢れた想像力では、計り知れないほどの力を1000円は持っている。
1000円で何ができるのか考えていると、以前1000円で手に入れたある奇妙な体験が僕の頭の中に浮かんできた。
それは例のごとく冷たい北風が吹き荒れていたある春の日のことだった。
例のごとく性欲に餓えた「流山のバイアグラ」がこんなことを言ってきた。
「激安ピンサロ行こうぜ。」
以前も紹介したが、彼は「風俗ブロガー」として、極上の至福を求め、ありとあらゆる風俗への潜入を試みる性欲の権化だ。
性に関していえば、彼の発言にしたがっていればまず間違いはない。
僕らはすぐに「都内 激安ピンサロ」というワードで検索をかけまくった。
「都内」で良いものがなければ、次は「新宿」、「新宿」でだめなら、次は「池袋」
といった具合に手を変え、品を変え、執念深く調べた。
普段大学のレポートの文献を調べる際には、1度検索して良いものがなければ、すぐに諦めてしまう僕らからすれば、考えられないほどの執念である。
こうして執念深く調べていくと、ある興味深い店が僕らの前に現れた。
見よこのビジュアル。
「あ、痛たた!」といった強烈なネーミングもさることながら、危険色の代表格でもある黒と黄色を基調としたホームページは訪れる者を恐怖の渦へ引きずり込む。
それにこの店にはなんと「10分1000円」というイカれたコースもあるそうだ。
(ふつうのピンサロは30分4000円~が多い。)
僕らは迷わずこの店に足を運ぶことに決めた。
こういった店に行く楽しみの1つとして、「在籍一覧を見る」が挙げられると思うが、「あ、痛たた!」のような地雷店ではそれは当てはまらない。
出勤一覧を見れば見るほど、恐ろしい気分になってしまうのは、前回の人妻パラダイスで経験済みだ。
しかし恐ろしいと分かっていることほどやってしまいたくなるのが世の常だ。
僕らは店に向かう途中、ついつい「在籍一覧」に目を通してしまった。
期待を裏切らない恐ろしさだ。
僕の息子たちが次々と死んでいく音が聞こえた気がした。
ただ「在籍一覧」を見て震え上がり、店へ向かう足取りが重くなった前回とは違って、
今回は前回の経験から「死ぬことは絶対にない」ということを理解していたので、動揺から足取りが重くなることはなかった。
こうして平常心を保ちながら歩いていると、すぐに奴が目に飛び込んできた。
前回とはうって変わって威風堂々とした態度で中に入ると、いつものようにイカしたボーイに無駄に妖艶な暗闇に包まれた1畳ほどの狭いブースに案内された。
しまった。今回は二人で来たため、ブースが隣同士だ。
これでは「流山のバイアグラ」の想像を絶する媚声が聞こえてしまう。
「大丈夫、媚声ぐらいで人間は死なない」
こんなことを考えていると先に隣のブースに黒い影が現れた。
僕は思わず笑ってしまった。
だいたい風俗のホームページ写真というのは、偽りがあるというのが普通だが、
この女性はホームページと全く同じなふくよか体型をしていた。
「あいつ大丈夫かな。」と隣のブースを心配していると、すぐに僕のほうにも影が近づいてきた。
驚いた。
なんと隣に来た女性よりも2倍近くふくよか体型の女性が僕のもとにやって来たのだ。
彼女は驚き硬直した僕をよそに10分という短い時間を無駄にしないために、すぐにサービスを始めた。
キス、フェラチオといった基本サービスは言うまでもなく、彼女の大柄な体格を生かしたハグは僕がこれまで犯した罪や不道徳を全て包み込んでくれるような感触を与えてくれる素晴らしいものだった。
これはまさしく本物のサービスだ。
1000円でこれだけ素晴らしいサービスを提供してくれるとは、日本のサービス業も捨てたものではない。
「自分たちにしかできないサービスを」という日本のサービス業の真髄が「あ、痛たた!」にはつまっている気がした。
冒頭にも述べたようにいま極悪非道で名高いラインペイが1000円を配布するという名誉挽回をかけたキャンペーンを行っている。
ただで1000円を手にしたラインペイユーザーたちはいま1000円の使い道にさぞかし悩んでいることだろう。
そんな時はぜひこの「あ、痛たた!」に行って真のサービスとは何か体験して来てほしい。