スーパーパンプマックスの使い方を考える その2

前回に引き続きスーパーパンプマックスの効能について考えていきたいと思う。

前回の即興パンプ体験では以下のことが分かった。

  • 心臓のパンプスピード向上
  • 行動力向上
  • パワー向上
  • 思考力の低下

この特徴を考慮した時、スーパーパンプマックスが力を発揮する機会とは何か。

思考力低下の副作用ゆえに知能労働は向かない。

知能がダメならパワーだ。

知恵よりパワー。パワーは全てを解決する。

やはりスーパーパンプマックスはパワーを発揮する分野で力を授けてくれるはずだ。

しかし僕はあいにくトレーニーでないので、日常でパワーを求められる機会はない。

いや 違う。僕は自らのパワー不足を言い訳にパワーを伴う活動を避けているだけじゃないのか。

自分のパワー不足からパワー労働に逃げているだけだろ。

パワーがあったらしたいことは必ずあるんだ。

スーパーパンプマックスがある今ならできる。何でもできるんだ。

僕はパワーがあったらやりたいこと。

僕の頭に真っ先に浮かんだものがあった。

瓦割り

僕は幼少期からテレビや映画で登場する瓦割りに対して密かな憧れを抱いていた。

最強にパンプした屈強な人々が己の拳のみで頑丈な瓦板を粉砕する。

その人間は非力であるという常識を根底から覆す爽快な破壊っぷりは僕の心を揺さぶった。

瓦を割りたい。

最強にパンプした僕ならできるはずだ。

パワーがあれば夢は叶う。

こうして僕は瓦割りへの挑戦を決意した。

瓦割りとは言ってもまずどこに瓦を割れる場所があるのか。

調査を進めていくとなんと浅草に瓦割りを体験できる場所があることが分かった。

世の中はやはりパワー優先だ。

パワー系たちを満たすニーズは必ずある。

僕は予約を取ろうとwebサイトを訪問したが、当日申し込みのみで、予約は受け付けていないようだった。

流石パワー系客層を持っているだけある。パワー系にとって瓦は割りたい時に割るもの。予約という概念が通用しないのだろう。

僕は予約を諦め、一路浅草へ向かうことにした。

浅草駅から店までは約10分。

僕はスーパーパンプマックスの効果が現れる時間を考え、新橋駅でパンプを注入した。

新卒駅から浅草駅まで約10分

浅草駅に到着するころには既に僕のパンプは始まっていた。

まんぼうなんてどこ吹く風、浅草周辺は和風かぶれの小日本人がわんさか沸いていた。

「全員ぶっ飛ばす」

パンプが止まらない。

僕は通りかかった小日本人たちの頭を片っ端からカチ割りたい気持ちでいっぱいだった。

暴れるパンプを必死に抑えながら歩くこと10分、ようやく瓦割り店が現れた。

やっと瓦が割れる。やっぱりカチ割るのは頭ではなく瓦だ。

僕の割りベーションは最高潮に達していた。

しかし

そこに待ち受けていたのは厳しい現実だった。

はいぐ~「瓦割りがしたいです。」

店員 「あ~ 今からだと一時間半待ちですね」

一時間半待ち!?

今日ほどストレス社会の現実を思い知った日はないだろう。

世の中には瓦を割らなければ生きてゆけないほど鬱屈としている人々が大勢いるのだ。

僕が単に観光で浅草に来ているのなら、一時間半なんてどうってことない。

しかし今日はパンプを入れているのだ。

パンプの効果時間には限りがある。

そう パンプは待ってくれないんだ。

僕は泣く泣く瓦割りを諦めた。

店を出た僕は失意のまま浅草の街を歩いた。

気持ちは落ち込んでいる。でも体は動きたがっている。

僕の中のパンプが解放してくれと叫んでいる。

#パンプが叫びたがってるんだ。

そんな心体不一致な僕の目の前にある思い入れの深い施設が現れた。

バッティングセンター

僕が以前 反射神経向上を目標に通った思い出の施設だ

当日は140kmの豪速球に手も足も出なかった。

でも最強にパンプした今なら…

パンプの結果を試すにはうってつけの施設だ。

打ってやる 140km 打ってやる

僕の心が再びパンプを始めた。

心と体の一致を果たした僕はギラギラとした雰囲気を纏わせ、バッティングセンターに入った。

しかし

そこで待っていたのはまたしても残酷な現実だった。

混雑 圧倒的混雑。

打撃成績をパンプしたい少年たちが黙々と鍛練を重ねる場であるはずのバッティングセンターは老脈男女が入り乱れる娯楽施設へと姿を変えていた。

これでは僕の打席がいつ回ってくるのか想像もつかない。

何度でも言おう。

パンプは待ってくれないんだ。

僕は再び失意のままバッティングセンターを後にしようとした。

だがその時 僕の視線の先にある娯楽が登場した。

「ザ・握力」

中央にあるレバーを力いっぱい握るだけという思考力を問わない簡素な構造。己の肉体をこれでもかと見せつけるパンプ感あるキャラクター。

僕のパンプ効果を測るにはぴったりの存在だと感じた。

そうだ。力を測るうえで何もバッティングである必要はない。

すっかりこの「ザ・握力」に魅了された僕はコインを入れ、画面の指示通り力いっぱいレバーを握った。

見ろ これが僕のパンプだ!!

47kg

あまりにも微妙な結果に僕はしばし唖然とした。

そうか スーパーパンプマックスは普段から鍛練を重ねる者にパワーを授けてくれるのであって、普段からゴロゴロ生活をしている者を一瞬で強くするサプリメントではないのだ。

ゴロゴロ民が飲んだところでせいぜい強くなった気がするだけだ。

ただその一方でスーパーパンプマックスがなかったとしたら、瓦割りに興味を持つこともなかったし、浅草に行くこともなかった。

そして何よりこの記事を書くこともなかっただろう。

僕はスーパーパンプマックスの真の効能はここにあると考える。

自分が普段しないことに挑戦する勇気をくれる。

これこそがスーパーパンプマックスの真の効能なのだ。

スーパーパンプマックス。ぜひ一度お試しあれ。

スーパーパンプマックスの使い方を考える その1

世の中には 漢としての血が滾る言葉がある。

スーパーパンプマックス

話は3月上旬に遡る。

僕は友人のこんりんと共にサウナの聖地「しきじ」を訪れた。

食事→サウナ→電車内うたた寝という至って平和な旅の終わり、彼は衝撃の告白をした。

「俺 薬物中毒なんだよね」

聞くところによると彼は筋肉増強を目指すがあまり、多くのサプリメント摂取に依存した生活を送るようになったという。

そんな彼が必死に購入欲望を抑えているサプリメントがあった。

スーパーパンプマックス

「スーパー」「パンプ」「マックス」強そうな言葉をこれでもかと並べた「ぼくのかんがえたさいきょうサプリメント」的ネーミング。

「パンプ感」という日常生活ではまず目にしないであろう宣伝文句。

どれも僕をスーパーパンプマックスの虜にするに十分な要素であった。

いったいこいつは僕の体にどんな革命を起こしてくれるのか?

効果を知りたきゃ買え。

僕はスーパーパンプマックスを購入した。

購入から1週間ほどたったある日、スーパーパンプマックスは唐突にやってきた。

レッド&ブルーという食品とは思えない毒々しいコントラスト、中央に堂々と鎮座する「スーパーパンプマックス」の文字。

宣伝写真をも上回る圧倒的な存在感だ。

流石「スーパーパンプマックス」期待を裏切らない。

僕はスーパーパンプマックスの素晴らしい容貌に感動し、撮影を繰り返した。

「さてこいつをどう使おうか」

「スーパーパンプマックス」を使用したトレーニーによると、スーパーパンプマックスには以下のような効果があるようだった。

スーパーパンプマックスの効能は?

・超パンプするぜ!

・集中力があっぷして筋トレしまくれるぜ!

・筋肉痛と疲労もなくなるぜ!

・いやっほぉぉぉ!

彼はトレーニング前に飲むことを推奨していたが、僕はあいにく トレーニーでもなんでもないただのはいぐ~だ。

トレーニング前に使うという概念は存在しない。

それよりもこれだけ素晴らしい効能がある「スーパーパンプマックス」をトレーニングだけにしか使わないというのは脳筋にもほどがある。

トレーニング以外にも何か「スーパーパンプマックス」が役立つ瞬間があるはずだ。

世界中の人々が「スーパーパンプマックス」を愛飲する世の中を作るために、「スーパーパンプマックス」の素晴らしい使い方を考案しよう。

まず僕はスーパーパンプマックスの「集中力向上」という効果に注目した。

「集中力向上」はパワーだけではなくインテリジェンスにも応用できるのではないか。

短い時間で次々と問題が現れる性質ゆえに、多くの集中力を必要とするWEBテスト。

その難しさゆえに悩める就活生も多いはずだ。

「スーパーパンプマックス」によって集中力が高まり、WEBテストで力を発揮できるなら、就活生にとって「スーパーパンプマックス」は欠かせないものになるはずだ。

僕はまずWEBテスト前に「スーパーパンプマックス」を飲むことにした。

聞くところによると「スーパーパンプマックス」はトレーニング30分前に最も力を発揮するらしい。

僕は推奨通りWEBテスト30分前に「スーパーパンプマックス」を飲んだ。

味はグレープフルーツの苦みだけを濃縮したような味で口が裂けても、美味しいとは言えない。

しかし効果さえあれば美味しさなど関係ないことは既にプロテインが証明している。

大事なのは効果だ。

飲んでから10分ほどで僕の体に変化が現れ始めた。

「心臓のパンプが速い」

凄まじい心臓の鼓動。ここまでパンプしているのは「人妻パラダイス」前にマムシドリンクを飲んで以来だ。

心臓のパンプが上がるにつれて、やる気のパンプも上がってきた。

WEBテストやりたい WEBテストやりたい 

人生でこれほどWEBテストを受けたくなったのは初めてだろう。

なんだか今なら凄い点数がとれる気がする。

僕は30分をも待たずに、自室の机に飛び乗り、WEBテストを開始した。

しかしテスト開始直後、重大な欠陥に気づいた。

「思考がまとまらない」

「スーパーパンプマックス」の効果により、心臓とやる気のパンプは大いに高まったが、その代償に思考力のパンプが大いに下がってしまった。

文章の内容が全く頭に入ってこないし、メモをとる量は増えたが、内容は支離滅裂だった。

唯一効果があるとすれば、クリック力が上がり、確実に選択肢をクリックできるようになったぐらいだろう。

「スーパーパンプマックス」が高めた集中力は思考力を犠牲にして成り立っていたのだ。

思考力を問う課題に「スーパーパンプマックス」は向かない。

では「スーパーパンプマックス」に向いている課題とは何か?

続く