覗き部屋を通じて見えた風俗ブロガーの覚悟と矜持

僕は最近風俗へ行っていなかった。

というのもここ数ヶ月、

沖縄の最安デリへル庶民派デリヘル某ビデオの出演といった壮絶な性体験を経て、

自分の性に対する考え方について、考え過ぎてしまって、純粋に風俗を楽しむことができなくなってしまった。

以前は毎日自らを慰めなければ、眠れないほどの落ち込み症であった僕は

最近この落ち込み症がさらに酷くなり、

いまや慰める気力すら失ってしまった。

人間本当に落ちんこんだ時は、

慰める気力すら起きないものである。

そんなある時、「流山のバイアグラ」という異名を持つほどの精力を誇るしゃおじょんがこんなことを言ってきた。

「覗き部屋行ってみね?」

流石は「流山のバイアグラ」

風俗で多くのものを失ったのにも関わらず、

先月台湾で至福の体験をしたことですっかり忘れている。(詳しくは彼のブログを参照https://dobunezumidesu.hatenablog.com/entry/2019/03/01/194102 )

僕は最初に書いた通り、すっかり精力を失い、身も心も疲れはてていたので、

当初 全く乗り気ではなかった。

その旨を彼に伝えると、どうやら彼もその日の朝に自らを慰めたばかりで、調子は良くないとのこと。

「じゃあ何で行きたがるの?」と僕が聞くと

彼はこんな答えを出した。

「俺は風俗ライターだから行くしかないんだよ。」

圧倒的な精力を武器に世界中の風俗に潜入し、その実態を赤裸々にブログに綴るしゃおじょん。

最近では早稲田大学風俗研究会を設立し、風俗文化の普及に励んでいる。

僕はこの時、彼の風俗ライターとしての熱い想いを目の当たりにした。

彼にとって風俗に行くことはもはや一時の快楽のためだけではなく、立派な仕事のひとつなのだ。

今回は彼が仕事に向き合う姿を捕らえる大変貴重なチャンスだ。

僕はこんな光栄な機会を無にしようとした己を恥じて、しゃおじょん氏の仕事現場に同行させて頂くことにした。

さて今回行った覗き部屋だが、

この写真を見て分かるように、

欲望に支配された街 歌舞伎町の中でも一際異彩を放っている。

中に入ると、すぐに長く薄暗い階段があり、そこを下ると怪しげな男が受付をしていた。

男は僕たちを見つけるとすぐに、

大人2100円、学生1600円という料金説明をした。

500円の割引。とても大きい。

この500円でどれだけ多くの人が救われるだろうか。

僕は自分が大学に進学した意味を再確認した。

料金を払い、安堵したのも束の間、

男は盗撮防止を名目に僕たちに携帯とその他電子機器を預けろと言ってきた。

風俗での盗撮はもちろんご法度だが、

これまでは携帯を預けろと言われたことはない。

もちろん演者を盗撮するつもりなどさらさらないが、

雰囲気を伝えるために何枚か中の写真を取りたかった僕にとっては大きな誤算だった。

しかし受付の周辺には今まで盗撮がバレた客の写真と身分証明書が晒し首のように張られていた。

僕が将来子どもを持って、その子どもがここに来たときに、父親の写真が張られていたらどうだろうか。

僕はこの想像を絶する未来に耐えかねて、しぶしぶ携帯とパソコンを預けた。

こうして受付が全て終了すると、

番号札を渡され、受付の横にある2畳ほどの小さな待合室に案内された。

そして他の風俗と同じく、やたら古いアダルトビデオが流れる待合室で、他の客とともに、しばし気まずい待ちをした後、

ストリップショーの客席に案内された。

客席と言えば聞こえはいいものも、

実際のところ覗き部屋の客席は

人が1人通れるくらいの狭く暗い廊下に、

仕切りがおかれ、5つほどのブースが形成されていて、

ブースの中に入ると小さな椅子と、ティッシュが置いてあり、前面が全てガラス張りになっていて、

ガラス越しに際どい水着を着た演者の姿が見えるという粗末な作りだった。

しばらく座っていると、

この妖艶な雰囲気には場違いな妙にアップテンポな曲がかかりだした。

某サロンもそうだがなぜ風俗店はアップテンポな曲をかけたがるのが?

自分を慰める時にわざわざ湘南乃風をかけるか?

経営者たちは商売がうまくいっていて、

自分を慰める必要がないからわからないのだろう。

それはさておき、話を戻すと

場内ではこのアップテンポな曲に合わせて、演者が際どい水着で体をくねらせるという奇妙な「踊り」を始めていた。

これを「踊り」と表現して良いのかは僕にはわからない。

ただひとつ言えることはこの奇妙な「踊り」は明らかに僕の感情を無に近づけていったということだ。

「踊り」を行っている最中、演者は鏡越しに情に餓えた客がいるという事実に堪えられないのか、ずっと別の方向を向いていた。

そして明らかに視線の合わない状態で、演者は僕のほうに近づき、下着の陰部付近についたヒラヒラを上下に降った。

この不思議な誘惑は、女の裸を見ても全く興奮しない僕の感情を完璧に吸いとった。

僕は完全に虚無になった。

その後はショーが後半になるにつれて、不思議なあえぎ声が場内にかかり、それに合わせて演者も胸→局部の順に下着を脱いでいったが、

僕はもはや何の感情も抱くことなく、

ただただ目の前の奇妙な現実に目を傾けていた。

ふいに僕の虚無感は終わりを告げた。

「抜きやりますか?」

別の演者が僕に向かってこう話しかけていた。

どうやら覗き部屋ではオプションとして

演者がいっしょに慰めてくれるというサービスがあるらしい。

ショーの最中、普段から身長コンプレックスに悩む僕の息子はいつも以上にコンプレックスに悩まされていたため、

そんなサービスを受ける余裕もなく、

僕はすぐに「いらないです。」と返事をした。

すると彼女はあろうことか、僕に聞こえるほどの大きな音で舌打ちをして、その場を去っていった。

後でしゃおじょんに話を聞くと、彼もまた同じように舌打ちをされたとのこと。

そして最後にショーは「イク イク イク アーン」といった大げさなあえぎ声が場内にこだまするとともにあえなく終了し、

僕は言いがたい虚無感を抱えて覗き部屋を後にした。

僕はこの虚無感をすぐに誰かと共有したかったので、

すぐにしゃおじょんにその日の体験を話した。

すると彼も僕と同様にあまり良い思いをしていなかったらしく、

もう二度と行かないと言いたげな感じだった。

僕は歴史上類を見ないほどの精力を持つ彼ですらこのような反応をしたことで少し安心した。

しかし 次の瞬間そんな僕の安心を吹き飛ばす言葉を彼は発した。

「俺 1回抜いたわ」

 は??????

何言ってんだこいつ。

あの環境で抜いた?

覗き部屋のブースの中は人が1人座れるくらいの狭い部屋だ。

それにあの内容。

どう考えても抜ける要素はない。

詳しく話を聞くと、彼も実際かなり覗き部屋を渋く感じていたそうだが、

風俗ライターとして抜かない訳にはいかなかったとのこと。

いくら風俗のサービスが悪くても、

それに文句をつけることなく、

無心で性欲を高め、発散する。

素晴らしい。

これこそ真の風俗ライターだ。

配偶者がいるのにも関わらず、

一時の快楽に溺れ風俗へ足を運ぶような奴が多いこの腐った世の中で

彼ほどの覚悟を持って風俗に行く男がどれほどいるだろうか?

ちょっと風俗のサービスが悪かったぐらいで、こうしてブログに憂さ晴らしをしている僕とは雲泥の差だ。

彼は圧倒的な精力だけでなく、風俗に行く上での並々ならぬ覚悟も兼ね備えた最強の風俗ブロガーだ。

今回はそんな彼の超人的な一面を垣間見ることができた貴重な経験だった。

今後の彼の活躍に目が離せない。

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