クスリ ダメ ゼッタイ

野球界。

日本の国民的スポーツとも言える野球はこれまで

数えきれないほどのスターを生んできた。

そんなスター達の中でも、

一際輝かしい実績と人気を誇った真のスーパースターがいる。

清原 和博

歴代5位となるプロ野球通算525本塁打や

甲子園通算最多本塁打記録13本といった

野球の実績も去ることながら、

その強面や外見や豪快な私生活から

「番長」の愛称で親しまれ、

プロ野球人気を牽引した。 



また今のプロ野球選手ではあり得ないような破天荒な言動、

これだけの実績を残していながら、

個人タイトルとは無縁の「無冠の帝王」であった点、

そして引退後には覚醒と

とにかくネタに尽きない唯一無二のスーパースターであり、

まさしく「意味不明な男」でもある。



長らく清原氏は僕にとって雲の上の存在であったが、

先日僕の数少ない友人の1人であるみやもやし

「あれ?はいぐ~ 若い頃の清原に似てね?」と言ってきた。

僕はこれまで誰かに似ていると言われることは、

中学時代に一度だけ嵐の二宮に似ていると言われて以来

ほとんど無かったのでとても嬉しかった。

それも かのスーパースター清原氏に似ていると言われるのは

このうえない光栄だ。

僕も真の「意味不明な奴」になるために、

ぜひ清原氏のスター性にあやかりたい。

こうして僕の清原生活が始まった。

「野球人たるもの常にバットを大切にすべし。」

清原氏は野球道具をとても大切にしていたとされている。

現役時代はバットを抱き抱えて寝ていたというくらい

バットを大切にしていたという

エピソードも耳にした。

野球人にとってのバットの大切さを痛感した僕は

電車、授業、バイト先

ありとあらゆる場所に

ライオンズブルーのバットを持ち込んだ。

当初 清原氏をも葬った国家権力の妨害が危惧されたが、

バットを持った覚醒者に もはや手を出す者はおらず、

バットの強さを改めて実感した。

この強いバットを持ち歩いていれば、

どんな奴がかかってきても、

こいつで仕留めることができる。

僕はなんだか自分がとても強くなった気がして、

自信がみなぎってきた。

この強さを示すならバッティングしかない。

僕は迷わずバッティングセンターに向かった。

しかしそこで待っていたのは残酷な現実だった。

清原氏が現役時代に打っていたであろう150kmの半分の75kmにすら

全くタイミングが合わず空振りを繰り返した。

僕は完全に誤解していた。

清原氏の格好をして、金属バットを持ったことで、

勝手に自分が強くなった思っていた。

これは明らかに幻覚だ。

清原氏も晩年は幻覚に悩まされていたそうだ。

おそらく僕も同じ症状が現れたのだろう。

安易に覚醒者のコスプレをしてはいけない。

そう強く感じた清原生活だった。



おれ アルパカです。

ヤギ。

アルパカ。

写真で見ればこの2匹の違いは一目瞭然だ。

しかし僕は今日衝撃の現実を目の当たりにした。



話は先週にさかのぼる。

僕はいつものようにコスプレを探すために

アマゾンを徘徊していた。

最近は日付に合わせてコスプレをすることが多く、

コスプレの自由な格好をするという

本来の目的が失われかけていたので、

僕はもう一度初心に帰り、

パッと見で笑えるコスプレを探していた。

探し始めること数分。

出会ってしまった。

この面白さのあまり恐怖すら感じそうになるコスプレに。

僕はこいつを見つけた瞬間、

しばらく笑いが止まらなかった。

これを着けて登校すれば、爆笑間違いなしだ。

そして今日ついにこのアルパカマスクを

かぶる日がやってきた。



以前使った白装束を見にまとい、

みんなの爆笑する絵を想像しながら、

いつものようにマスクをかぶり外に出た。

「前が見えない。」

以前牛のマスクを被ったこともあったが、

今回はそれ以上に見えない。

僕が視界不良で車に轢き殺され、

「アルパカ注意」なんて看板ができるのは

来世で本家アルパカになにをされるか分からないので、

僕はさかなくんの要領で頭にアルパカを載せた。

しかし今度はアルパカの顔が上を向きすぎて、

何を載せているのか分からず、

せっかくの面白さが伝わらない。

視界をとるか、面白さをとるか、

僕の答えはもちろん一つ。



面白さだ。

目の前からアルパカが歩いてきたら、

無意識に道を譲るに違いない。

こうして僕はいつものようにマスクを被り、

所属する中国文学コースの演習へ向かった。

待っていたのは想像を絶する冷遇だった。

「怖い」「面白くはない」 

そしてあげくの果てには

「その格好はヤギ?」

なぜお前たちは日本人と韓国人を見分けることができるのに、

こんなにも分かりやすいヤギとアルパカを

見分けることができないのか?

そんな見る目のないお前らに言いたい。

「おれ、アルパカです。」



ファッションよりパッション

「女性は男性のファッションを意識している。」

僕はこの通説だけは間違っていると自信を持って言える。

なぜなら僕がコスプレをしてても、

ほとんどの人が無反応だからである。

考えてみれば当然だ。

女性からすれば見ず知らずの男性など、

性欲にまみれた汚いゴキブリのようなものだ。

僕たちはいちいち目の前に現れたゴキブリが

どんな格好をしているか気にすることはない。

ゴキブリにオシャレは必要ない。

ゴキブリは自分のことだけを考えて、

適当な服を着とけばいい。

ゴキブリに大切なのはオシャレより

何をしても批判され、嫌われる苦しい世界を

生き抜こうとするパッションだ。



人妻パラダイス

前回の記事からお気づきの方もいると思うが、

僕は今日の朝まで沖縄に行っていた。

全ての始まりは水曜日だった。



禁酒会としての誓いを破り

しゃおじょんらと昔のように

サイゼリヤ西早稲田店のまずいワインを飲み

詭弁を放ちあっていると、

「東京は寒過ぎる。温かい所に行こう。」

という流れが出来上がった。

しかし今週は大学のテスト期間。

当然みな課題がたまっている。

来週にしようという案も出た。

だが僕らはここである真理を見出だしてしまった。

「単位は再履修できる。沖縄は再履修できない。」

要は大学の講義は何回でも受け直すことができるが、

今日この瞬間に偶然現れた

「寒いから沖縄に行こう」というノリで

沖縄に行けるのは1度だけだ。

もう迷いはない。

善は急げ。

すぐさま僕らは翌日の沖縄行きのチケットを取った。

「今回は沖縄に行くことが目的。行ってからどうでもいい。」

沖縄に行く前はこんな感じで、宿もとらず、

行ってからのことは全く考えていなかったが、

いざ沖縄にたどり着くと欲が出て、

なんだかんだで沖縄を満喫していた。



そして最終日 禁酒会をやめ飲酒に目覚め、

飲めもしない泡盛をちびちび飲んでいると、

しゃおじょんがこんなことを言い出した。

「沖縄といったら風俗だろ。おい お前ら   風俗行くぞ。」

彼は過去に散々風俗で痛い目にあっているにもかかわらず、

全く懲りることなく風俗に行きたがるのだ。

酔った時の彼は本当に恐ろしい。

https://dobunezumidesu.hatenablog.com/entry/2018/09/19/013854

風俗はとても高い。

いっそのこともう一度ぼったくられて

新しいネタを作るというのも考えたが、

さすがにもうそんな金の余裕はない。

とはいえしゃおじょんの性欲をこのままとどめておくと、

何が起こるか分からない。

それに僕も半年前に股間にカビが生えて以来、

そういった店には行っていなかったので、

久しぶりに行きたいという気持ちもあった。

こうして僕らは途中に見つけた

「スーパーハブアタック」という精力剤をまで飲み万全の体勢で

 那覇の一番安いデリヘル

庶民派デリヘル人妻パラダイスに行くことにした。

指定されたホテルに向かう途中、

僕らはいつものように出勤している嬢を調べた。

そこには戦慄の現実が待ち構えていた。。

何と出勤している嬢はことごとく40歳オーバー。

それも詐欺が当然の宣材写真ですら

全く騙せていなかった。

もちろん僕らは指名なしのフリー。

「いったいどんな方が来るのか?」

僕らはこれまでとは全く別の意味での緊張を感じながら、

指定されたホテルにたどり着いた。

実際そこで待った時間はたったの数分だったかもしれない。

しかしその時だけは

途中で止まったAVがもう一度再生されるのを待つような

永久的な時間の流れを感じた。



やがて店から電話がかかり、

僕はホテル内に入った。

そこには1人の女性が待ち構えていた。

僕は彼女を見た瞬間にこう思った。

「いとこの叔母さん。」

明らかに40歳を越えており、

顔には深いシワが刻まれ、腹はたるみ、

そして何より脱ぐと、

まるでサーターアンダギーのような

巨大な乳房が虚ろげにこちらを覗いていた。

僕はとても不思議な感覚に襲われた。

僕の周りは明らかに現実とはかけ離れた

官能的な空間であったにも関わらず、

僕の隣にいるのはなぜか叔母さんなのだ。

僕はこの不可思議な空間に困惑しつつ、

叔母さんに言われるがままベッドに転がされ、

一通りの施しを受けることとなった。

「この違和感の正体に気づくまでは決して欲に溺れてはいけない。」

僕は施しの間、ずっとこの不思議な空間の正体を考えていた。

そして一つの結論にたどり着いた。

これは「近親相姦的空間だ。」

中世オーストリアのハプスブルク家は

何度も近親相姦を繰り返したとされている。

彼らは命の系譜を繋ぐ際に

毎回このような感覚に襲われていたのだろう。

しかしこの結論にたどり着いた瞬間、

僕はフル回転した脳とは

裏腹にフル勃起した局部に体の支配権を奪われ、

最後には近親相姦であることも忘れ

「かわいい」とささやきながら、

己の欲望のままハブのように叔母さんに絡み付いていた。

僕の性欲が持つ猛毒性に気づいた叔母さんは

僕を退治しようとプラス3000円で

最後の穴へ行けるという

巧妙なトラップを仕掛けてきた。

この時 既に性欲に脳を犯され害獣と化した僕は

考えることもなく

まんまと自らの肉棒をこの穴へはめてしまった。

そして快楽に溺れること数分。

突然部屋中に警報が鳴り響いた。

おそらくあの罠は、

害獣がかかると数分で警報が鳴る仕組みなのだろう。

焦った僕はペースを上げ、

全身を局部に変えるという奥義を発動し、

全身全霊で全身を前進させた。

これほど何かに必死になったのはいつぶりだろうか。



突如 上腕が動かなくなった。

その瞬間 僕は我に返った。

頭の中には様々な可能性が浮かんだ。

肉体的な可能性? 精神的な可能性?

僕はこれまで筋トレで腕をつったことはない。

いくら全身全霊をかけたとはいえ

肉体的な限界が来たとは言えない。

僕はある恐ろしい真理に気づいてしまった。

先ほど浮かんだハプスブルク家は

近親相姦を繰り返した結果

未熟児を何度も生み、

最後には滅びてしまった。

もしかするとこの腕の痛みは

安易に近親相姦に手を出そうとした僕への

ハプスブルク家からの罰。

つまりハプスブルク家の呪い

この真理に気づいた僕はすぐさま切り上げ、

欲望に支配され安直な行動を繰り返したことを叔母さんに謝罪した。

すると叔母さんは

「あなたは罠にはまったが、

自らの欲望を液体に変えることはなかった。」

という趣旨の言葉を残し、3000円を免除してくれた。

やはり最後に頼れるのは家族の愛だ。

家族愛の大切さが身に染みた沖縄旅行だった。

 ※今回登場した叔母さんは、僕の実の叔母とは外見を除いて、全く関係はありません。



人生を左右する生物学の素養

114年前の今日 ある生命体が地球上から消えた。

その生命体の名はニホンオオカミ。

太古の昔から猟犬として

日本人と共に生活してきた。

しかし近世に入りニホンオオカミの間で

狂犬病が流行すると駆除が進み、

急激に数を減らしていった。

そんな人間の身勝手なふるまいに

振り回され続けたニホンオオカミの境遇を知り、

僕は深い同情を感じた。



近年になってようやく

絶滅危惧種への保護運動が盛んになってきたが、

こうした風潮が生まれる前にこの世から姿を消した

ニホンオオカミの無念は計り知れない。

彼らだってもっと自由に世界を動き回りたかったはずである。

僕がニホンオオカミたちの無念を晴らそう。

こうして僕はニホンオオカミへの突然変異を決めた。

114年前の彼らの無念を晴らすために、

僕は 学校 電車 ファミレス カラオケ と

ありとあらゆる場所に行き

ニホンオオカミとしてこの世を満喫した。



すると1人の男が僕に声をかけてきた。

「牛込警察署の者です。」

僕はすっかり自分が114年ぶりに現れた

ニホンオオカミであることをすっかり忘れていた。

絶滅したとされる生き物が突然目の前に現れたら

国家権力たちは保護という名目で

監禁しようとするに違いない。

僕は慎重にやつの質問に答えていった。

途中「家からこの格好なの?」という意味不明な質問もあったが、

「当たり前です。」と言ってなんとか尋問を乗り切った。



しかし尋問を乗り越えたことに安堵する反面、

これほど簡単にニホンオオカミを手放してしまって

いいのだろうかという疑問を抱いた。

僕はもう一度鏡で自分の姿をじっと見つめ直した。

気づいてしまった。

僕の容姿はニホンオオカミではない。

ハイイロオオカミだ。

ハイイロオオカミは世界各地に存在している。

つまり今日僕はただハイイロオオカミとして

街で暴れていただけだったのだ。

国家権力も保護目的で近づいてきていたのではなく

僕が殺処分候補に名乗りを挙げていたからなのだろう。

典型的な文系学生である僕の

生物学への知識不足が露呈してしまった

オオカミ生活だった。

「課題」の暴虐を打ち破れ

現在 僕の大学はテスト期間の真っ只中だ。

いつもはガラガラの大学の図書館は

テスト勉強に励む者で溢れ、

twitterは何年も酷使されたテスト関係のネタが

今年もタイムラインを賑わせている。

僕の周りでもテスト勉強ムードが高まり、

「課題」に追われているという話題が増えてきた。



僕はここでふと一つの疑問を抱いた。

「大学生が課題に追われている」ということは、

言い換えれば「課題が大学生を追っている」

「課題が大学生をつきまとっている」

と言えるのではないか。

ある時期になると全ての大学生の背後に突然現れ、

嫌がる大学生に強引につきまとう

「課題」とはいったい何者なのか。

幸いにも僕は実用主義の「課題」が

最も嫌うタイプである文学部に在籍しているため

「課題」のストーキングを受けることは少ない。

しかし「課題」のストーキング被害に悩まされている友人たちを救うために

今回は「課題」の悪行をまとめ、

「課題」がいかに恐ろしい存在であるかを伝えようと思う。



「課題」の恐ろしい所は

なんといってもその行動力である。

基本 1人だけをつきまとうストーカーとは違い

「課題」はある時期になると

全ての大学生を不眠不休で

無差別につきまとう。

「課題」から逃れるには自ら「課題」に立ち向かうほかなく、

逃げようものなら

「課題」は地の果てまで大学生を追い詰める。

以前「課題」から不当な手段で逃れようとしたある大学生が

大学から存在を抹消されてしまったという噂もある。



さらに恐ろしいのは

現在これだけ理不尽なストーキングを続ける「課題」を

大学当局は取り締まるどころか、

「課題」を利用して

大学生の人生を左右する成績をつけているのだ。

学生生活の安全を保証するはずの大学当局が

学生を脅かすストーカーを用いて、

成績をつけているという恐るべき事実が

ここに浮かび上がってくる。



以上のように この世界では

いっさい悪びれることなく数十年にわたり

悪質なストーキングを繰り返す「課題」と

それを容認し利用する大学当局という

恐ろしい権力構造が存在する。

これ以上 「課題」たちの横暴を許してはならない。

万国の大学生たちよ。

決起の時は来た。

今こそ「課題」の暴虐を打ち破れ。

もう一つのセンター試験

本日 1月19日はセンター試験である。

世間では主にこの毎年1月の中旬に行われる

全国共通試験を取り上げることが多い。

しかし毎年このセンター試験と同じ時期に

全受験生の合否をも左右すると言われる

もう一つの「センター試験」が

存在していることをご存知だろうか?



このテストは受験生のみが受けることができ、

内容は極秘。

過去に内容を漏らしたある学生は、

試験の数ヶ月後にサイゼリヤ西早稲田店

戦友たちと共に

見るも無惨な姿で発見された。



僕は今日その学生たちが残した大量のワインを手がかりに、

極秘試験の潜入に成功した。

途中「センター試験」経験者であるローニンの

twitterでの経験者イキリによる

激しい妨害も受けたが、

何とかいくつかの問題を手にいれることに成功した。



今日はこの命がけで手にいれた問題のいくつかを紹介し、

依然として謎に包まれている

「センター試験」の実態を暴いていこうと思う。

 第1問 日本史

2008年草なぎ剛氏が提起した

いまだに結論が下されていない深淵な議題は何か

1 魚になって何が悪い

2 裸になって何が悪い

3 田中になって何が悪い

4 何も悪くない

2008年という日本史にしては比較的

最近の出来事からの出題ではあるが、

彼の発言や行動によるインパクトから、

この問題の知名度は高く、

受験生の得点率も高かった。



第1問 詭弁

論に矛盾が生じ、

議論に負けそうになったときに使う詭弁は次のうちどれか。

1 お前が論理

2 論理は論理

3 俺が論理

4 俺も論理

「センター試験」にのみ登場する科目

「詭弁」

その名の通り論理が危うい文章も多く、

国語力と柔軟な思考力が求められる。

さすがは「詭弁」第1問にしてはなかなかの難問だ。

正解は3だが、受験生の間でも

「意味不明」「これは詭弁ではなく妄言」

といった批判が殺到した。

確かにこれまで社会の論理で議論していたにも関わらず

負けそうになったからといって

急に「俺が論理」と言われても、

誰も理解できないのは当然である。

出題者は受験生の未来を背負っているという自覚を持つべきである。



その他にも興味深い問題がいくつかあったが、

僕の身に危険が及ぶ可能性があるので、

割愛させて頂く。

「センター試験」に臨む受験生に良い結果が出ることを祈る。

この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

まあいいやの精神

昨日1月17日は防災とボランティアの日だった。

僕はボランティア=自衛隊という

安直な思考を持っていたため、

以前からこの日に自衛隊のコスプレをしようと決めていた。

しかし当日になると前日の禁酒祭での疲れから

完全に燃え尽きてしまい家から出る気力を失ってしまった。



思えば1週間ほとんどを

授業が終わるとすぐに直帰か

バイトで過ごしていた1年生の頃に比べて

最近は毎日のように禁酒会で企画をやり、

そうでない日は新しく始めたバイトで

帰りは夜の1時と明らかに飛ばし過ぎていた。

元々僕は予定がなければ

1週間ぐらい平気で家からでない引きこもりなのに

これは少々やりすぎだ。

そこで僕は1日自主全休をして、

次の日に自衛隊コスプレをすることにした。



しかし今日は防災とボランティアの日ではないので、

自衛隊のコスプレは意味をなさず、

僕の服装に疑問を抱く者を

納得させることができない。

このままでは彼らは一生、

今日の僕の服装に疑問を抱きながら死んでいくだろう。

僕のコスプレで不幸になる人を作ってはいけない。

なんとしても僕は

自衛隊のコスプレをした理由を

作らなければならない。



今日は1月18日。

1月18日?

ひらめいた!

まあいいや(118)の日だ!

「本当は昨日が防災とボランティアの日だったんだけど

今日は1月18日だからまあいいやの精神で自衛隊の服着てきた。」

完璧な理屈だ。

これで僕の服装に疑問を抱いたまま

死んでいく人の命を救うことができる。

まあいいやの精神は偉大だ。

こうして理論を固めた僕は意気揚々と

キャンパス内に乗り込んだ。

キャンパスでは禁酒会と同じタイミングで発足し、

早稲田大学内で勢いに乗っている情熱プロジェクト

書き初め大会を行っていた。

僕は禁酒会の代表として禁酒の精神を広げるために、

「禁酒」という二文字を書き上げた。

彼らは僕が毎日コスプレをしているのを知っていたので

お約束のようにまた「今日は何で自衛隊なんですか?」と

コスプレの理由を聞いてきた。

待ってました。

僕は心のなかでガッツポーズをして、

自信満々に先ほどの理屈を述べた。

するとどうだろう。

理屈は全く伝わらず、

彼らはただただ呆気にとられていた。

今回の理屈はこじつけが過ぎていたようだ。

この寒いなか活動している彼らに対して

さらに寒い理屈をぶつけてしまい大変申し訳ないと思っている。

でも僕は最後にこう言いたい。

「まあいいや」



真の強さ

僕が大学で所属する禁酒会にはある真偽不明な理論がある。

「酒は人を弱くする。牛乳は人を強くする。」

僕は飲酒が病気の原因の一つとなる場合が多いことを考慮すると

前半に関しては特に異論はないが、

最近 後半部分に疑問を抱くようになった。

確かに牛乳は強くなるための栄養が豊富だ。

しかし僕らは牛乳を飲むとすぐにお腹を壊してしまう。

これでは牛乳の栄養をしっかり摂取できず、

結果的に強くなれてはいないのではないか。

そもそも牛乳とは牛の子どもが成長するために存在している。

僕らが牛乳を吸収しきれないのは

もしかすると人間だからなのかもしれない。

つまり牛になれば牛乳の栄養を吸収し強くなれるのだ。



当初牛乳の天下だった禁酒会も

現在は牛乳派 コーヒー派 茶派の3つの派閥に分裂している。

もう一度牛乳を中心とした禁酒会を

復活させるには日常的に牛乳を飲んでいる

牛乳派が強さを見せつけなければならない。

そして本日1月16日は禁酒の日であり、

禁酒会にとっては3派の頂点を決める禁酒祭の日だ。

ここで3派に違いを見せつけ、

もう一度牛乳政権の再興を果たそう。

こうして僕は真の強さを求め牛になった。

牛となり牛乳の栄養を100%吸収できるようになった

僕の勢いは凄まじかった。

徒競走では圧倒的なスピードで他派を蹴散らし、

目利き対決では

茶派が茶と尿を間違えるなか、

完璧な目利きを披露し、



大相撲では前評判で無敵艦隊と称された

コーヒー派相手に番狂わせを起こした。

牛乳派は各種目で圧倒的な力を見せた。

しかしここで本日目利き以外では

特に見せ場のなかった茶派が

「牛乳派が強すぎる。何かドーピングしてるに違いない。」

ドーピング検査を行うよう求めてきた。

僕はただ牛乳を飲んで強くなっただけだ。

ドーピングなどしていない。

むしろいっちゃもんをつけた茶派の小物さが露になるであろう。

僕は茶派によるドーピング検査の申し出を受け入れた。



結果は恐るべきものとなった。

なんと僕のバッグから禁止薬物アルコールが

発見されたのだ。

僕は今日アルコールを入れた覚えはない。

これは間違いなく牛乳派の強さを妬んだ茶派の犯行に違いない。

茶派は陰謀で牛乳派を追放し、

禁酒祭の王座をつかんだのだ。

僕ら牛乳派は決して今日の悔しさを忘れてはならない。

いつか必ず真の勝利をつかむまでは。