ラーメン二郎デビューしようとした、しかし挫折した。

僕はコスプレをしているとき、

たまにこんな疑問をぶつけられることがある。

「コスプレのお金どうしてるの?」

確かにコスプレは高い。

1着3000円は平気でするし、

前学期は「1度着たコスプレは2度と着ないというルール」を設けていたので、

月に2~3万円はコスプレに使っていたと思う。

これに旅行風俗代まで重なると、

もう僕の財政は火の車だ。

僕はこの状況を打破するために、

様々なバイトに手と尻を出してきた。

その一方で僕はコスプレを始めて以降、

徹底的な節約をしていた。

例えばバイト先での食事はお金のかかるまかないではなく、

家からパックご飯と納豆を持ち込んだり、

学校にいるときは常に家で作ったおにぎりを持ち歩き、

おやつなどに無駄遣いをしないようにしていた。

こんな感じで食費をバンバン削っていくと、

必然的に食事がショボくなる。

最近まであまり気にしてなかったが、

先月台湾に3週間滞在して、

いろいろな美味しいものを食べた結果、

この世界が美食に溢れていることに感動し、

「なぜ自分はこんなひもじいものばっかり食べているのか。」と思うようになった。

今学期はコスプレ頼みから脱却するために、

コスプレの回数を減らすので、

予算を食事にまわすこともできる。

入学以来 食事に関して、

ずっと僕は一つの夢を持っていた。

「ラーメン二郎に行きたい。」

ラーメン二郎といえば

「豚のエサ」と揶揄されるほどのデカ盛りと

「ヤサイマシマシ」といった呪文のような注文方法で有名な

言わずと知れた超有名ラーメン店だ。

僕は大学1年の時には、

「高田馬場はラーメン激戦区」だという噂を

聞いて毎日のようにラーメン店をはしごしていたほどのラーメン好きだ

しかし高田馬場にはラーメン二郎の支店はなく、

以前ラーメン好きの友達とラーメンの話をしていたときに、

「お前 二郎行ったことないの?」とマウントをとられた苦い経験がある。

それ以来 僕はこの世のラーメン好きたちを見返すために

ラーメン二郎に行く機会を虎視眈々とうかがっていた。

突然 その機会はやってきた。

今日 僕は最近流行りのウーバーイーツのバッグを受けとるために関内方面に出掛けた。

二日酔いでぐらぐらする頭のなかで

必死に説明を聞いて、バッグを受け取り、

外に出たとき、あることに気づいた。

「関内にはラーメン二郎がある!」

すぐさま携帯を開いてラーメン二郎横浜関内店を調べると

ビンゴ! 自転車で数分の距離にあった。

しかもラーメン二郎横浜関内店のオープン時間は18:00から。

ウーバーイーツの説明が終わったのは17:30くらいだったので時間的にもちょうどよかった。

これは間違いなくラーメン二郎に行っていなかったことで

不遇の時期を過ごしていた僕に対する神様からのプレゼントだ。

僕は迷いなくラーメン二郎横浜関内店に向かった。

「やっと二郎が食える。」

僕は期待に胸を膨らませ、ウキウキで自転車をこいだ。

しかし店に近づくにつれ、

僕は店の方から連なる不穏な人影が見えるのに気づいた。

「開店前だしまさか並んでる奴なんていないだろう」

そう僕はたかをくくって、近くに自転車をとめ、ラーメン二郎に向かった。

僕は完全にラーメン二郎の人気をなめていた。

僕が見ていた人影は二日酔いからくる幻ではなく、

ラーメン二郎を食べるために並ぶ人々の行列だったのだ。

僕は悩んだ。

店内の店員はたったの二人。

おそらくこの列ではラーメンを食べるまでに

2時間はかかるだろう。

家にはおそらく夕飯がある。

ここで2時間待てば、夕飯が食べられなくなり、

また母親から小言を言われるのは目に見えている。

僕は路頭に迷って近くの繁華街をうろついていた。

その時、こんな広告が僕の目に飛び込んだ。

「G朗ラーメン」

明らかにラーメン二郎を意識したネーミング。

おそらく「二郎ラーメン」にすると本家から苦情がくることを予測してのネーミングなのだろう。

僕は再び悩んだ。

もう二度とラーメン二郎に行くチャンスはないかもしれないのに、

ここでこんなパチもんを食べていいのか?

食欲とは時に恐ろしいものである。

僕の足は悩みながらも確実に店内へ向かっていた。

幸いこの店は空いていたので、すぐに入ることができた。

そして悩み抜いた末に手に入れたラーメンがこれだ。

うまかった。めちゃくちゃうまかった。

ラーメン二郎なんてくそくらえ。

これから「G朗ラーメン」の時代だ。

だいたい何でラーメン一杯食うために、

2時間も3時間も待たなくちゃいけないんだ。

さっと入ってさっと食えるのがラーメンのいいところだろ。

本家の味なんか知らなくたっていい。

食ったもんがうまかったらそれでいいんだ。

大事なことを教えてくれてありがとうラーメン伊勢佐木家

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