路上にいる果物売りが世界を支えている

台湾には陽明山という山がある。

元々は草山という適当過ぎて

草生えるネーミングの山だったのだが、

台湾に中華民国政府が入って以降に

政府の代表であった蒋介石が、

儒教のひとつである陽明学の祖 王陽明が

大好きだったので、陽明山に変えたとのこと。https://www.travel.co.jp/guide/article/29925/

僕にとってそんな

アフィリエイト乞食ブロガーのような情報は

どうでもいい。

それより陽キャラの「陽」に

明るいの「明」

まさに明るさの頂点に君臨するかのような山だ。

ご存知の通り 僕の性格は暗い。

リアルでは声も口数も少ない。

うるさいのはブログだけだ。

暗い性格をしていて得することはない。

性格を変えれば人生が変わる。

僕はこの明るさの頂点に君臨する陽明山の頂点を極め、

暗い性格を吹っ飛ばすことにした。

陽明山はとても遠い。

まず台北駅からバスで1時間。

そして麓のバス停に来てから

気づいたのだが、

標高が1100m(高尾富士の2倍)と意外に高い。

それも登山当日は天候が悪く、

高尾富士の登頂経験が豊富な僕であっても

陽明山の登頂は困難を極めることが予想された。

そんな過酷な状況の中

始まった登山は大方の予想通り、

過酷なものとなった。

開始地点の分からない登山道。

木っ端微塵に破れた同行者 ウメハラの靴。

降りしきる大雨。

前すら見えない劣悪な景色。

僕の登山モチベーションはどんどん下がっていった。

だいたい性格を変えるために

山なんか頼ってんじゃねーよ。

本当に変えなきゃいけねーのは、

山にすがろうとする腐った根性だろ。

こうして僕はあっさり登頂を諦めた。

しかしせっかくの登山

何かゴール地点のようなものが欲しい。

そこで僕は途中の標識にあった竹子湖という、

きれいな湖があるとのことなので、

そこを目指すことにした。

結論から言うと大失敗だった。

湖というよりかは

ただ何か得体のしれない植物が植えられている池で、

このただの池が大雨で視界不良という条件に合わさって

最低の景色を作り出していた。

これだけだとただのガッカリエピソードなのだが、

僕は竹子湖に行く途中ある不思議体験をした。

この標識を見て頂きたい。

この標識では竹子湖まで10分と書かれている。仮にこれを標識Aとする

次にこの標識を見て頂こう。

この標識だと竹子湖まで徒歩3分。

仮にこの標識を標識Bとする。

1枚目の標識から2枚目の標識までの間は

徒歩7分となっている。

しかし実際に歩いてみると、

大雨で道が狭くスピードが極端に遅かったにも関わらず、

明らかに標識から標識まで

徒歩3分以内にたどり着いた。

僕はなぜ標識の表示に矛盾が起きるのか、

強い疑問を抱いた。

台北屈指のガッカリスポット竹子湖を見ている間、

ずっとこの疑問について考えていると、

僕は一つの仮説にたどり着いた。

この写真を見て頂きたい。

標識Aと標識Bの間には

大雨の中 謎の果物売りが存在した。

恐らくこの果物売りは竹子湖で

休憩がてら果物を食べる客を想定しているのだろう。

標識Aから標識Bまでの7分間には、

果物売りで果物を買う時間を

計算に入れているのではないかという仮説が生まれた。

僕はすぐにこの仮説を実証するために

実際に果物売りで果物を買い、

買った時間と歩いた時間を合計した。

ビンゴ。

果物を買うのにかかった時間は見事に3分。

これを最初の歩き時間と合わせると、

当初の標識間 徒歩時間7分に限りなく近づくのだ。

僕は最初この果物売りを見たときに、

「こんな雨の中 誰も果物なんて買う奴はいないだろ 」と

この果物売りを無意味な存在だと思っていた。

しかし実際この果物売りがいなければ、

標識間の徒歩時間に必ず狂いが生じ、

観光客を間違いなく混乱の渦に陥れる。

つまりこの果物売りは標識の間違いを訂正するために

あえてあの場所に出店していたのだ。

一見 無意味に見えるものも

深い意味があるのかもしれない。

PS 買った謎の果物はめっちゃ不味かった。

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