ゴミ箱をあさる。
この行為は一般的に卑しいとされ、
ゴミ箱をあさっている者には
激しい軽蔑の視線が与えられる。
中でもカラスのゴミ箱を荒らし散らす行為は
都市部のなかで問題となっている。
僕はここに大きな疑問を抱いた。
ゴミ箱に入っているものは、
誰かにとってはゴミであるかもしれないが、
また別の誰かにとっては宝物なのではないか?
例えば 人間にとってはただの生ゴミでも、
カラスにとっては生ゴミは貴重なエサである。
単にゴミ箱入っている物をゴミ(不要物)と
決めつけるのは視野が狭いのではないか?
少し視点を変えれば
必ずゴミ箱にも宝物がある。
そう確信した僕は
ゴミ箱から宝物を見つける天才であるカラスになった。11/23
「これでゴミ箱は宝箱だ。」
早速キャンパス内のゴミ箱を片っ端から
探ってみた。
しかし一向に宝物は見当たらない。
というよりもまずカラスマスクの視界が狭すぎて、
何があるのかも分からない。
カラスになることで、
ゴミ箱の中身を宝物として捉える視野の広さを手に入れたが、
物理的な視界の広さを失ってしまい、
宝物を手に入れることに失敗した。
ゴミ箱から宝物を手に入れるのは難しい。
江戸時代にはゴミ箱という概念はなく、
ある時に不要になった物は、また別の時に再利用していたという。
彼らは人間としての広視界を保ったまま、
カラスのゴミ箱から宝物を見つける広い視野も持っていたのである。
もはやカラス人間と言っても過言ではないだろう。
大量生産・大量消費の風潮の中で、近年 大量のゴミが大きな問題となっている。
今こそ江戸時代のカラス人間たちが持っていた
ゴミを宝物として捉える広い視野が必要だと僕は思う。