牛は強い

僕は牛乳が大好きだ。

毎日欠かさず飲むし、

大学で所属している禁酒会でも

牛乳派として酒に代わる飲料として牛乳を推し進めている。

酒は人を弱くするが牛乳は人を強くする。

牛乳はまさしく飲料の王座を占むる存在なのだ。

しかし最近あることに気づいた。

僕は普段これだけ牛乳を愛しているのにも関わらず、

牛乳を作り出す牛に対して何もしていない。

言うなれば、うんこばかり愛して、

肝心のうんこを生み出す人間を愛さないようなものだ。

何とかして牛に日頃の感謝を伝えなければならない。



チャンスは突然やって来た。

禁酒会の年越し企画の一環で

僕は近くの牧場に向かうことになったのだ。

念願の牛との対面に胸を踊らせて、

牧場に乗り込んだが、

そこにあったのは驚きの光景だった。

身も凍るほどの寒さのなか

牛顔の女子達が全裸で

ぎゅうぎゅうの牛舎に集められていた。

冷静に考えれば、

年頃の女子にとって乳絞りはとても過酷だ。

毎日得体の知れない奴に乳を揉まれ続け、

自分の乳をこれまた得体の知れない奴が、

美味しそうに飲んでいるのだ。

牛にとってこれほど肉体面、精神面共に負担となる活動はないだろう。

僕も以前牛となって

道行く人に乳絞りをしてもらったことがあったが、

知らない奴に いきなり乳を吸われるなどの

散々な目に遭いやめてしまった。

そんな肉体面 精神面ともに過酷を極めた乳絞りに

決して恵まれているとは言えない環境で

耐え続ける牛は強い。

牛乳が栄養満点なのも頷ける。

僕が本当に目指すべき姿は牛なのかもしれない。

少しでも牛に近づくために、

牛への感謝を忘れずに牛乳を飲み続けよう。

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