2019 5/16~6/20
これはとある事情で「新宿男道場」という男性向け風俗店で「売り専」として働いていた期間だ。
なぜ僕は「売り専」として働くことになったのか。
話は4ヶ月前にさかのぼる。
度重なる旅によって深刻な資金不足に陥っていた僕は以前から強い興味を持っていた某ビデオに出演した。
和やかな雰囲気が流れていた撮影後、熱い共演を果たした男優様がこんなアドバイスをくれた。
「お金困ってるなら、ウリセンやってみたら?」
ウ リ セ ン?
僕は当時「ウリセン」というものが何なのか分からなかった
彼はそんな僕の疑問などお構い無しに「ウリセンはうまくいけばめっちゃ稼げるよ」と話を続けていた。
気になった。
僕は早速 帰宅途中の電車内で「ウリセン」という言葉を検索した。
僕は全てを察した。
どうやら「ウリセン」とはゲイ向けの風俗店を指しているようだった。
当時 ビデオ撮影の成功によって男性との性行為に強い興味を持っていた僕はこの「売り専」というワードに惹かれ、ページをスクロールしていった。
すると あるサイトが僕の目に飛び込んできた。
そう 「新宿男道場」だ。
圧倒的な存在感で見る者をたった一文字で魅了する「男」というロゴ。
「新宿」「男」「道場」
この男男しい言葉をつめこんだ まさしく男のトリプルブッキングと呼ぶにふさわしいネーミング。
僕は完全にこの「新宿男道場」の虜となった。
しかし当時はまだいくつか別のビデオ撮影案件を抱えていた。
僕はいったん「新宿男道場」への想いは捨て、別のビデオ撮影に性意を向けることにした。
そしてビデオ撮影案件が落ち着いた2019年5月。
僕の中に沸き上がってきたのは他でもなく「新宿男道場」への未練だった。
「新宿男道場で働いて真の男になりたい。」
僕は「新宿男道場」に自らの性意を伝えた。
するとすぐに彼らからこんなメールが届いた。
相手の性意に対して、すぐに誠意を持って答える。
ケツの締まりを大切にする真の男にふさわしい実に引き締まった対応だ。
そしてその後のやり取りを経て、僕の面接日は5/16に決まった。
もちろん「新宿男道場」には他の風俗店と同じく以下のようなキャスト一覧表がある。
いままで僕はキャスト一覧表はただ見ているだけのいわゆる「ROM専」だった。
それがいまやキャスト一覧に名を連ねる
「売り専」に変わろうとしているのだ。
仮に採用されれば、僕を指名した人間が親友であろうが父親であろうが必ず駆けつけ奉仕せねばならない。
しかし考えようによってはこれまで多くのワクワクをくれた「風俗業界」へ飛び込むことは一種の恩返しにもなるのではないか。
そんなことを考えながら日々を過ごしていると、すぐに運命の5/16がやって来た。
そして面接当日。
僕は指定された都内某所のとあるマンションの1室の扉を叩いた。
すると中から真の男にふさわしい精悍な顔つきをした一人の男が現れた。
彼は僕を見るやいなや開口一番に
「かっこいいね~♂ 写真よりもずっといいよ~♂」
と声を上げた。
僕は「イケメンだ」「男性受けする」だとか最近やたらと男性に容姿を褒められることが多い。
これまで女性から容姿を褒められたことは全く無いことを考えると、やはり僕は男性をターゲットに生きていくしかないのだろうか。
それはさておき、面接用の部屋に入った僕は先ほどの男(マネージャー)から面接シートなるものを渡された。
この面接シートは住所や年齢といった個人情報だけでなく、局部のサイズやセクシャリティ、
さらには男性経験の有無といった「個人情報」の記載も求める大変個性的な面接シートであった。
そしてこの面接シートを書き終え、マネージャーを呼んだ。
彼は僕の面接シートを一瞥するとすぐさま「採用」の旨を伝え、仕事内容の説明を始めた。
彼の説明によると「売り専」業界では主に3つの禁止事項があるとのことだった。
1 お客様との個人的な連絡先交換の禁止
2 お客様の情報を外部に漏らすことの禁止
3 お客様とのコンドームを用いないセックスの禁止
その他にも料金前払いとセックス前のシャワーの徹底といった細かいルールの説明があり最後に給料の確認が行われた。
説明の間、僕はある不安を抱えていた。
「僕はちんこが小さい」
お気づきの方もいるかもしれないが、「新宿男道場」では全ての従業員がPsizeと称して自らの局部のサイズを公開している。
彼らのサイズは最低でも15cm なかには18cmを越える強者も存在している。
しかし僕は185cmという高身長を誇っておきながら、局部のサイズが13cmしかない。
15cm 18cmといった猛者たちの間に入れば確実に恥をかくに違いない。
僕は全ての質問が終わった後、マネージャーにこの不安を伝えた。
すると彼は笑って「2cmくらい平気だよ」といって僕の面接シートの局部サイズ欄に15cmと書き足していた。
なんて度量が大きいのだろうか。
彼こそこの「男道場」の王にふさわしい男だ。
こうして面接を終えると、予告通りサイト用の写真撮影が始まった。
パンツ一丁になり、様々な角度から数十分に渡り撮影が行われた。
そして撮影が終わると、マネージャーは早い段階でのサイト公開を約束と連絡先の交換を行い、面接は完全に終了した。
後日 サイトを確認してみると
いた。
局部のサイズもしっかり15cmとなっていた。
since5/16 こうして僕の売り専体験が始まった。
続く。