万物は反射神経である。
これは2020年11月、僕が出した結論の一つだ。
なぜ反射神経なのか。
これから綴る内容を読めばあなたも理解できるはずだ。
僕は先日TOEICを受けた。
就活に使えそーとか英語力測りたーとかいう安直な理由からだ。
もちろん勉強はしていたが、留学後のワンチャンスに掛けていたHSKに比べて気の緩みは明らかだった。
こうした緩みは試験当日にしっかりと表れた。
僕は試験の必須品とも言える時計を忘れてしまったのだ。
時計の無い試験会場と豪勢な時計をテーブルに誇示する受験者たちの姿を目の当たりにし、一瞬焦りを覚えたが、「10分前になったら試験官が教えてくれるだろう」という安易な想定に身を委ねてしまい、その時はあまり深く考えなかった。
若干の不安を覚えつつ試験は始まった。
人間とは不思議なもので不安があろうが、気が緩もうが、試験が始まった途端に忘れてしまう。
僕もその例外ではなく絶え間なく現れる英語と格闘しているうちに時計のことなどすっかり忘れてしまっていた。
そして試験も残すところあと15問。
「以外といけたんじゃね」
そんな考えがちらほらとよぎる頃だった。
‘試験を終了します。解答を止めてください’
!?
終わり!?
10分前コールは?
初老試験官の無情な宣言により試験は突然終了した。
唖然とする僕を尻目に初老試験官は手際よく試験用紙を回収していった。
僕が最初に覚えた感情は怒りだった。
試験終了10分前を告げない初老試験官への怒り、腕時計を忘れた自分への怒り。時計を置かない試験会場への怒り。
しかし僕はこれらの怒りが全て的外れであることにすぐに気がついた。
何が一番悪い?
全ては僕の英語力不足だ。
全ては僕の読解速度の遅さだ。
試験官、試験会場、腕時計 仮に全部理想であっても15問落とす事実は変わりないのだ。
ではなぜ長文読解が遅いのか。
長文読解の肝は大量の英文と英単語に対して素早く反応して理解することである。
いわば英語への反射神経力は読解力に直結する。
僕にはこの反射神経が圧倒的に足りていなかった。
反射神経を高めなければ、時間内に全ての問題を解くことはできない。
僕の反射神経強化訓練がここに始まった。
続く