コスプレが世界を救う

ここ数ヵ月コスプレに向き合ってきたのは

誰が何と言おうと僕だと思う。

日本では雨の日も風の日も

冬の寒さや同級生の冷たい視線にも負けず、

毎日コスプレで登校し続けた。

日本では自称コスプレ王の座を

自称欲しいままにしてきた僕だが、

1つ成し遂げられていないことがあった。

「海外でのコスプレ」

僕はまだ海外でコスプレをしたことがない。

前回北京に行った時はコスプレ道具を忘れるという

自称コスプレ王にありがちなミスをしてしまったので

コスプレをすることはできなかった。

なので今回は僕の相棒ともいえる

牛マスクと牛パジャマを持っていった。

(日本での参考画像)

台湾はとても酪農が盛んな国で、

牛乳がスーパーやコンビニでたくさん売られている。

この事実にいち早く気づいた僕は

「牛の格好をして牛乳を買う」という

超古典的なギャグをして、

台湾でコスプレがウケるのかどうか試そうと考えた。

当初 僕は久しぶりにコスプレをするということもあって、

かなり高揚していたが、

いざ 牛のマスクを被ろうとすると、

1つの不安が頭をよぎった。

「もし牛のコスプレをしたせいで殺されたら…」

僕は以前全身白荘束のコスプレをしたことがある。

その時にアメリカに住んでいたことがある友達が

「お前 アメリカだったら確実に殺されてるよ」

と指摘した。

冷静に考えれば当時の僕の格好は

白人至上主義団体KKKの格好に酷似していて、

人種主義をタブーとするアメリカでは、

明らかに一線を越えている。

当然 僕に人種差別をするつもりがあったわけではないが、

海外では気づかぬうちに一線を越えてしまうことがある。

もし台湾で牛の格好をすることがタブーだったら…。

僕は一瞬 恐怖でコスプレをせずに

宿舎に引き返そうかと思った。

しかし 僕は「海外でコスプレをする」という

強い覚悟を持って台湾に来た。

もはやコスプレをするためだけに

台湾に来たと言っても過言ではない。

それなのにこの台湾でなにもしないでどうする。

僕は意を決して牛マスクを被った。

結果は僕の不安など軽々と吹き飛ばすほど

爽快なものだった。

レジで並んでいたお客さん、スーパーの店員

道行く歩行者、みんな僕を見て笑顔になっていた。

台湾の交通関係上、

視界がほぼ失われる牛マスクでの活動は危険なため、

牛マスクをしていた時間は非常に短かったが、

それでも人々の反応は日本以上だった。

「面白い」という感情は

その人が育った環境に大きく影響されるので、

世界共通の笑いを生み出すのは難しい。

日本で成功を収めたお笑い芸人が

海外では苦戦するということもざらにある。

ただ僕はこの日 「コスプレ」は

世界共通の笑いを生み出すポテンシャルがあるということを確信した。

コスプレは世界中を笑顔にできるのだ。

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