一発屋はすごい

「一発屋」

どうも世間ではこの言葉が

すごく否定的な意味で使われることが多いと僕は感じる。

確かにずっとずば抜けた結果を残し続ける人はすごい。

しかしこの世界の人間はたいてい

何の結果も残すことなく死んでいくことを考慮すれば、

一回でもずば抜けた結果を出した

「一発屋」もすごいのではないか?

世間に何の爪痕も残していない人間が

一度でもずば抜けた結果を残した人間を

バカにするのは間違っていると思う。

一発屋だってその一発を当てるために、

途方もない努力をしているのだ。

例えば10年前にハードゲイキャラで、

一世を風靡したレイザーラモンHGは、

裸で登場することが多いため、

週に5回の筋トレをして肉体を鍛え上げている。

経験者なら分かると思うが、

週5回の筋トレは想像以上に過酷だ。

それも彼の筋トレメニューは

プロのボディービルダーも舌を巻くほど過酷なのだ。

また 彼はハードゲイキャラを作るために

肉体だけでなく、実際に新宿二丁目のバーで

ボウイを勤め、本物のゲイに近づこうと奮闘していた。

彼が一発を当てた背景には

これほどまでの努力が隠されていたのだ。

そんな彼も12/18に43歳の誕生日を迎えた。

この世界で一発を当て、

今も奮闘を続ける彼を祝うために僕は

彼の原点であるレイザーラモンHGの格好をすることにした。

彼は近年このハードゲイキャラの封印を強いられている。

言い換えれば、彼の名セリフでもある「フォー」を

彼は叫べていないのだ。

常に叫び続けていた人間が

急に叫ぶなと言われた時のストレスは計り知れない。

僕は自分に彼の叫びを代弁する義務があるのではないかと感じたので、

至るところで叫んだ。

キャンパスの門、喫煙所、バイトの休憩室、

西早稲田駅、横浜駅、

そして講義中の教室。

もちろん教授は 「授業の邪魔をするな」

と怒った。

僕はすぐにその場で謝った。

そして授業後にももう一度謝った。

しかし教授が怒っていたのは、

単に授業を邪魔されただけではなかった。

教授はこう語った

「注意されたからってすぐに謝ってはいけない。     どうせなら最後までやりきれ。

HGのネタはセイセイセイで始まって

バッチ来いで終わるんだ。フォーだけじゃないんだ。」

僕ははっとした。

レイザーラモンHGが叫びたかったのはフォーだけではない。

彼が叫びたかったのは

自分の人生をかけたネタ全てだ。

僕は代弁者を気取っていながら、

大きな見落としをしていた。

彼の人生をかけた一発を代弁するからには、

社会の目など気にしている場合ではない。

僕もまた人生をかけなければならないのだ。

レイザーラモンHGの

強い思いを感じた1日だった。

セイセイセイ フォー!! バッチ来い

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